2012年5月10日木曜日

無情


ゴールデンウィーク前半、奥穂高岳に登るべく北アルプスの玄関口である上高地へ向かった。

天気予報では大雨強風の最悪な天気。



涸沢まで登り、テントの中で天候の回復を待つ。

山で天気が悪いと狭いテントの中で停滞するしかない。

テントを打ち付ける雨の音。。。。

AM03:00

目がさめた。極度の寒さと孤独を感じた。

テント内でラーメンを作って食べたら少しホッとした。。

AM05:00

起床し、雨の中、外の様子を見る。

残雪期の奥穂高へのザイテングラードの取り付きも視界が悪く見えない。

涸沢の鯉のぼりが勢いよく泳いでるのは強風の印だ。

きっと稜線は、強風で厄介だろう。

何度となく外に出ては、考え込む。

重い荷物はすべてここにおいて、空身で行けばきっと二時間で行けるだろう。。。

きっと行けたと思う。。。

この状況で出発しても誰にも止められない。

単独とはこういうものだ。

しかし、僕は諦めた。。。

これでよかったんだ。。



P.S
今年も遭難事故により、北アルプスでたくさんの命が奪われた。
僕は登山する立場からして、人ごとには思えなかった。
どれだけ山に魅了され、どれだけ山を愛したか。
ご冥福お祈りいたします。