今回は、剱岳のバリエーションルート北方稜線を目指した。
金曜日仕事を終え、東京を出発したのは深夜1時
扇沢に到着し、約一時間くらい車の中で寝た。
Day1:
雨がしとしと降っている中。
ザックカバーをかけ雨具を着て黒部ダムを出発する。
この時期は雨具を着るととても暑い。
藪をかき分け、倒れた木を潜り抜け、滑る岩に気を使い、
景色は見えないし、永遠と続くような地味な光景。
雨に打たれ、靴は浸水するし、パンツまでびしょ濡れになってしまった。
今シーズン初登山で重たいザックに体が慣れていない。
寝不足
息が上がる
足がでない。
ペースが落ちる。
真砂沢小屋まで6時間もかかってしまった。
この先目的地の小池平小屋まではあと4時間30分かかる。
時間的にも余裕がなく、ここからペースアップしなくてはいけない。
完全に心が音をたて折れてしまった。
メンバには大変申し訳なかったが、計画変更してもらい、
真砂沢小屋でテント泊することにした。
申し訳なかったので、持ってきたワイン二本分と肉やお菓子を振舞った。
というのは口実で自分の荷物を軽くしたかった思いが強い。笑
雨が降っていたため初日は写真が一枚も撮れなかった。
Day2:
AM3:30起床。
テントの中の荷物をかたし、着替えをしたときに事件が起きた。
替えの靴下がない。昨日の靴下はびしょ濡れで乾いているはずもなく。
2、3分ほど現実逃避した。靴下を忘れるわけがない。
でも現実は甘くはなかった。
濡れた靴にインナーの薄い靴下。
足が冷たかった。たぶんこれじゃ靴擦れするだろうと思った。
昨日とは打って変わり晴天で長次郎谷(ちょうじろうたん)の雪渓を登る。
雪渓の上を風が吹くと自然のクーラーみたいでとても気持ちがよかった。
長次郎谷は剱岳東面を代表する2大岩稜の源次郎尾根
と八ツ峰に挟まれた沢でピッケル・アイゼンを装着し登攀する。
映画「剱岳・点の記」の舞台となった。
「熊の岩」の雪渓にぶつかる。ルートを右にとるか、
細い雪渓を直進するか。僕は、迷わず直進を選んだ。
猪木さんの言葉で「迷わず行けよ、行けばわかるさ」が座右の銘である。
この細い骨骨ロックみたいな雪渓にピッケルとアイゼンを打ち込み
慎重に渡る。
あともう少しのところで3m位のクラック。
「ガーーーーーン」
ジャンプしても届かない。面倒くさいけど戻るしかなかった。
ダイナミックな景色の岩場を登りつめ剱岳を登頂する。
この先危険のプレートから登頂すると、山頂にいる登山者からは軽くスター扱いされる時がある。
澄ました顔してるけど、今回はバテバテだった。笑
帰りは一般ルートから下山する。
カニの横這いでは、蟹遊び。
蟹アキさん
蟹トウ コウジ
蟹ハシさん
雷鳥平までの下りで、案の定靴擦れし、足が痛いし、ばててペースが落ちた。
10時間の移動時間は久しぶりで、本当に疲れた。
Day3:
天候に恵まれ、立山の山々を登ることができた。
途中、雷鳥親子4羽が飛来しました。
最近減っているようです、頑張って生き抜いてもらいたい。
疲れ切った体で下山する。笑
辛いけど、目印にしていた物が後ろ遠ざかり、
目印にしている物が近くなってくるのだから一歩ずつでも前に進んでいる。
山からすれば人間なんてちっぽけだけど、歩みを止めなければいつか辿り着く。
みたいなことを考えてたと思う。
下山後トレーニングサボってたことを猛烈に反省しました。
最後は黒部ダムで記念撮影。
中学生のころ親に連れてきてもらって大きなザックを担いでいる人たちを見て
何するんだろうと思ったが、今は自分がそうなっている。
今回は仲間に助けられた山行だった。
心から感謝しています。まじでアザッス!!
終わり
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